「フリーランス」という言葉をよく耳にしますが、「派遣と何が違うの?」と考えている人もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、フリーランスと派遣の明確な違いについて解説していきます。
フリーランスと派遣
フリーランスと派遣の違いを考える前に、そもそも、フリーランスと派遣はそれぞれどのような意味なのか確認してみましょう。
フリーランスとは
フリーランスとは、特定の企業・団体・組織に雇用されず、独立して仕事をする人のことを指します。案件ごとに業務委託契約など単発で契約を結び仕事をすることが一般的です。
フリーランスの仕事は、デザイナーやエンジニアなど特技を生かした仕事が多い傾向にあります。
派遣とは
派遣とは、ご自身が登録している派遣会社から企業に派遣され、派遣先企業の支持で業務に携わる働き方です。
派遣の契約には、大きく分けて以下3つのスタイルがあります。
- 【常用型派遣】派遣会社の正社員として雇われ特定の企業に派遣される
- 【登録型派遣】派遣会社からの紹介を受けて希望に就業先が見つかった時のみ雇用契約を結ぶ
- 【紹介予定派遣】派遣先企業に正社員などとして直接雇用されることを前提に派遣される
最も一般的なスタイルが登録派遣型です。派遣の場合には、派遣会社と労働者との間で雇用契約を結ぶことになりますので、給与は派遣会社から受け取ることになります。
フリーランスと派遣の違い
これらを踏まえるとフリーランスと派遣ではどのような違いがあるのでしょうか。
5つの違いに分けて解説していきます。
契約形態
まずは、契約形態が異なります。
上述の通り、フリーランスの場合の契約形態は、企業と「委任契約」や「請負契約」を結ぶことによって仕事を行うことがほとんどです。そのため、基本的には、案件ベースの単発での仕事となり、契約にそって成果物さえしっかりと提出できれば、働き方などは比較的自由です。
一方で、派遣の場合は、派遣会社と「雇用契約」を結び、派遣会社より派遣された企業で就業します。雇用契約は一定期間ごとに更新される継続契約であるため、報酬は時給制となるのがほとんどです。また、雇用契約を結んでいることから、企業の就業規則に準拠して働くこととなります。
労働基準法
契約形態の違いに伴い、労働基準法適用の有無にも違いがあります。
派遣の場合は雇用契約を結ぶことになることから、一般的な会社員と同様、「労働基準法」が適用されることになります。労働基準法は、雇用者から従業員を守る目的で制定されており、労働条件などについて法律に保護を受けることが可能です。
一方でフリーランスの場合は、独立して業務を実施しており、雇用関係はありません。また、働き方は自分で調整することもできますので、労働基準法の適用範囲外となります。
税金申告
さらに、税金の申告にも違いが発生します。
フリーランスの場合は、独立して収入を得ていますので、自分で確定申告を実施する必要があります。たしかに確定申告は面倒くさいですが、自分で確定申告する場合には、節税することも可能ですので、利点もあります。
一方で、派遣として派遣会社に雇用されている場合には、基本的に派遣会社が年末調整という形で税金申告手続きを実施してくれますので、自分で確定申告をする必要はありません。
(ただし、12月の年末調整時に派遣会社に雇用されていない場合は、確定申告しなければならない場合もありますので、派遣会社と確認しましょう)
加入健康保険
日本では、高額な医療費の負担を軽減するために、全国民が公的医療保険に加入すべきという「国民皆保険制度」を採用しています。しかし、フリーランスか派遣かによって、加入できる保険にも違いがあります。
フリーランスの場合、基本的に国民健康保険に入ることになります。国民健康保険は、都道府県及び市町村が保険者となり運営する公的な医療保険制度で、自営業の方などが加入しています。
一方で、派遣の場合には雇用契約があることから、派遣会社を通じて、健康保険組合や全国健康保険協会が運営する社会保険に加入することとなります。
収入
最後は収入です。
派遣の場合、前述の通り時給制の場合がほとんどですので、会社の給与規定を大きく超えて収入を得ることは難しいでしょう。
一方で、フリーランスの場合には経験やスキルが収入に影響します。専門性の高い職種でフリーランスをやるう場合には、高額な収入を得やすいといえるでしょう。また、同時並行で複数の案件をこなすことも可能ですし、確定申告によって節税することも可能です。
そのため、仕事を多く受託できれば、フリーランスはより多く稼ぐことができるといえるでしょう。
まとめ
今回は、フリーランスと派遣の違いについて解説してきました。フリーランスと派遣の場合、契約形態が異なることから、保険や収入、税金申告の有無などに違いがあります。
より安定して稼ぎたいという人は派遣が向いているかもしれません。一方で、専門的なスキルや経験があり、それらを利用してたくさん稼ぎたいという人にはフリーランスという選択がいいかもしれません。
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