近年、ベンチャー企業の数も増加傾向にあり、毎月何社もの会社が新規上場を果たしています。
そこで個人投資家にとって気になるのはIPO株ではないでしょうか。IPO株は、上場時に当初の想定を上回って値が付く場合が多く、毎回IPO株購入にあたっては抽選が行われます。個人投資家によっては、とりあえず全てのIPO株の抽選に応募するというような人もいるくらいです。
もちろんIPO株に投資する上では、上場する会社の事業の成長可能性というのが一番大事ではありますが、よりよいIPO株を探すべく、今回は主要株主に注目した探し方について紹介していきます。
これらは、小型株を探す際にも役立つかと思いますので、参考にしてみてください。
主要株主で着目すべき3つのポイント
社長や取締役が主要株主となっているか
まず、第1にポイントとなるのが、主要株主に社長や取締役が名を連ねているという点です。社長や取締役が大株主となっているということは、会社の業績が自分の個人資産額に直結してきます。
このような場合、何としてでも株価を上げて企業価値を増大させたいと考えるのが一般的ですので、社長や取締役は、株価が上がるような努力を惜しまないでしょう。
また、社長や取締役が大株主となっているということは、会社を自ら立ち上げた場合が多く、そう簡単には株式を手放さないとも考えられます。
そのため、社長や取締役が主要株主となっているような場合には、ねらい目の株といえるでしょう。これは、社長の個人会社が主要株主となっているというような場合でも同じです。
ベンチャーキャピタルが主要株主となっていないか
会社によっては、上場までの資金調達の過程で、ベンチャーキャピタルから出資を受けている場合があります。
ベンチャーキャピタルは、出資をする際にどこで利益を上げるかという出口戦略を考えますが、ベンチャーキャピタルの一般的な出口戦略は、出資先企業の上場時に株式を売却するというパターンです。
つまり、ベンチャーキャピタルが主要株主となっているような場合、上場後ベンチャーキャピタルが全ての株式を売却するようなケースが考えられれ、そのような場合には一時的に株価が大幅に下がる可能性があります。
そのため、ベンチャーキャピタルが大株主となっている場合には、注意が必要です。
大企業が株式をもっているか
ベンチャーキャピタルや投資会社を覗いて、一般の企業が他の会社へ投資するケースはあまり多く考えられません。
一般企業が他の企業へ出資するような場合は、出資先の企業が成長することで自社との相乗効果が確実に見込める場合が多いです。また、社長の熱意に賛同し出資を決めるケースなども考えられます。
一方で、このような状況下においての投資の判断基準は厳しく、大企業においてはさらに厳しくなるといえるでしょう。それでも大企業より出資を受けられるということは、その企業の事業成長性の信頼を獲得しているともいえるでしょう。
また、いずれのケースも、株式売却時の収益を主軸とはしていない場合が多いです。そのため、比較的長期に渡って株式を保持される傾向にあります。
これらを踏まえると、大企業が株主として名を連ねているような場合には、おすすめの株と考えられるでしょう。
まとめ
ここまで見てきました通り、より優れたIPO株を探すためには、会社の事業成長性という点も大事ではありますが、それに加えて主要株主の構成にも着目してみてはいかがでしょうか。
ポイントは、(1)社長や他の役員が主要株主となっているか。(2)ベンチャーキャピタルが主要株主となっていないか。(3)大企業が株式を保有しているか。といった点です。
これらを見るだけでも、よりその会社を理解することができ、より良い株探しに役立つかと思いますので、是非合わせて確認してみてください。
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