日本においてもフリーランスという言葉が一般的になり、フリーランスとして活動している人口も増えてきました。
一方で米国においては、日本でフリーランスという言葉が浸透する前から、フリーランスとして活動する人口の数は多く、今では労働人口の約35%がフリーランス人材となっています。
さらには、2027年に労働人口の半分がフリーランスになるともいわれています。
ではなぜ、米国のフリーランス人口の割合は、日本と比較してこんなにも多いのでしょうか。
その理由について考えていきましょう。
米国でフリーランス割合が多い理由
米国でフリーランス人口が多い理由は大きく3つあるといえます。
終身雇用という概念がない
日本でも最近は終身雇用という言葉をあまり耳にしなくなってきましたが、ひと昔前までは、終身雇用が当たり前でした。
終身雇用ができる会社に入れるよう教育を受けてきた方々も多くいるのではないでしょうか。
一方で、米国において終身雇用という概念はあまり一般的ではありません。
1社での平均勤続年数は4年程度とも言われており、10年も同じ会社に勤めていると、驚かれることが多くあります。
米国では、「転職ができる=他社から必要とされる力がある」といったような考え方があり、転職ができる人は仕事ができる人という考え方が一般的です。
つまり、同じ会社に長くいる人は、「他社から必要とされていない程度の人材」と思われてしまうのです。
米国では、終身雇用という概念がない分、自らのスキルを磨きアピールしていかなければいけない環境に元々あるといえるでしょう。
専門性が重要視される
このような環境から、米国では専門性に特化した人材が重宝されます。
日本においては、総合職という考え方がある通り、いわゆるジェネラリストとしてキャリアを積んでいく傾向があります。
一方で、米国においては総合職という考え方がなく、どんな職種であっても採用されたタイミングで一定の専門知識や経験を持っていることが求められます。
そのため、米国では自らのスキルを磨くべく、就職前にインターンなどを通じて経験を身につけるケースも少なくなく、もとより、自らのスキルを売りにして挑戦していく環境にあるといえます。
フリーランス人材のための環境整備がされている
このように、米国においては専門的知識を持った人材を重視して人材を探すケースが多いです。
そうすると会社側としては、そのような人材が会社の業務をこなしてくれればいいわけで、人材を雇用をしていようが、業務委託していようが、あまり関係ないわけです。
むしろ、福利厚生などを気にしなくていい分、フリーランス人材と業務委託契約を結んだ方が楽な場合だってあります。
すると、会社としてフリーランス人材と契約しやすい、フリーランス人材が活動しやすい環境整備ができてくるわけです。
日本においては、保険等含めて、フリーランス人材が活動していく上で十分な環境が整っていないと叫ばれることがありますが、米国はずっと先を進んでいるといえます。
まとめ
このように、米国においては「終身雇用が一般的でない」「専門性を持っていることが重要」「フリーランスのための環境が整っている」という3つの理由より、フリーランス人口が多く存在しているといえます。
また、企業のニーズも労働者のニーズも、フリーランスへシフトしていく傾向があり、米国のフリーランス人口が全体の労働人口に占める割合はさらに増えていくことでしょう。
日本においても、米国における3つの特徴を重視する方向へ社会が動きつつあることから、それぞれがどのような働き方をしていきたいのか、考える時が来たのかもしれません。
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