2021年の米国株式の注目銘柄としては、GAFA(グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップル)やマイクロソフトといった例年注目されている企業に加えて、テスラやショッピファイなどの新興企業なども名を連ねています。
その中でも、CRM(カスタマーリレーションシップマネージメント)の領域で注目を集めているのが、セールスフォースです。
そこで今回は、セールスフォース社はなぜ2021年の注目銘柄とされているのかについて、解説していきます。
セールスフォースについて
セールスフォースとは?
セールスフォースは、米国カリフォルニア州に本社を置く、1999年設立のクラウドコンピューティングサービスの提供会社で、クラウド上で顧客情報管理(CRM)や営業支援ができるサービスなどを展開しています。
2004年に時価総額約16憶ドル(約1600億円)でニューヨーク証券取引所に上場して以降、拡大を続け、現在では、約2200億ドル(約22兆円)にまで時価総額が跳ね上がっています。
この数字は単純計算で、上場してからの16年程度で企業価値は130倍超になったことになります。
セールスフォースの特徴
セールスフォースは、SaaS (Software as a Service)ビジネスの先駆け的存在ともいわれており、前述の通りサービスをクラウド上で提供していることから、ハードウェア購入も不要です。これにより爆発的な需要増加にも対応可能となっており、売り上げを押し上げている1つの要因といえます。
また、収益性の高い大企業だけでなく、低額からでも利用可能な価格設定やサポート体制を整えることで、多くの中小企業も取り込んでおり、現在では、世界15万社を超える企業がセールスフォースのサービスを導入しています。さらには、S&P500に採用されている企業の約90%がセールスフォースの顧客とされ、この点も、セールスフォースの成長の原動力となっているといえるでしょう。
市場環境
競合
セールスフォースの主戦場であるCRM市場には、ドイツのSAP社や、アメリカのマイクロソフト社、オラクル社、アドビ社など、世界でも名立たるグルーバル企業が進出しており、競争自体はかなり激しいといっても過言ではありません。
一方でセールスフォースは、CRM市場の中でも他社を大きく引き離すトップシェアを誇っており、前述の通り中小企業へのアプローチも積極に行っている点もこの数字に貢献しているといえます。
(出典:セールスフォース)
Slack社の買収
そんな中、2020年にセールスフォースは、同じ米国企業であるSlack社の買収を発表しています。
Slack社は、グループチャットや音声通話などのコミュニケーションツールを提供している2013年設立の企業で、このSlack社の買収は、Teamsというビデオチャットツールを保有するマイクロソフト社がコロナ禍で業績を伸ばしたことに伴う対抗策ともいえます。
このSlack社の買収額は、約280億ドル(約2.8兆円)ともいわれており、このような買収を可能にしているのが、セールスフォースの潤沢な資金力です。
潤沢な資金
セールスフォースの2020年1月期の連結売上高は17億ドル(約1.7兆円)と前年同期比で20%超増加しており、2020年はコロナウィルス感染拡大に伴うデジタル化の波にのり、さらに売り上げを伸ばしています。
また、セールスフォースのSaaS型課金モデルは、安定したキャッシュフローを積み上げていくことを可能にしており、これらによって、セールスフォースは潤沢な資金を蓄えています。フリーキャッシュフローも前年同期比で30%増加と順調な推移です。
一方で、セールスフォースの営業利益率は同業他社と比べて低いといわれていますが、その理由は、セールスフォースの決算資料を確認すれば一目瞭然で、R&Dやマーケティングに積極的に投資を行っているためです。
まとめ
ここまで見てきた通り、セールスフォースはCRM市場でトップシェアを誇る企業で、SaaSビジネスで事業を拡大してきました。
また、サブスクリプションモデルで蓄えた潤沢な資金力をベースに大型買収も行っており、企業としての競争力を増々つけているといえます。
これらを踏まえると、セールスフォース社が2021年おすすめの米国株といわれている理由に納得がいきます。
セールスフォース社について気になった方は、投資の検討をしてみてはいかがでしょうか。
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