最近、会社でよく「副業禁止」や「副業解禁」なんて話をよく聞きますが、そもそもどこからどこまでが副業に該当し、何をしたら副業として見なされてしまうのか、なんてことを考えたことはないでしょうか。
そこで今回は、そもそも副業って何?
という点を具体的事例を例にとりながら説明していきます。
副業とは?
そもそも副業とは、一般的に収入を得るために携わる本業以外の仕事を指します。
ただし、副業という言葉は法律上の言葉ではなく、法律上は何が副業にあたるのかという明確な線引きはなされていません。
そのため、会社で副業禁止といわれても、どこからどこまでが副業に該当するのかという判断が難しい場合もあります。
本業以外の業務が本業に悪影響を及ぼす可能性がある
何が副業に該当するのかということを考える上で、そもそもなぜ会社が副業を禁止するのかという点を考えてみましょう。
会社としては、従業員に対し給料を支払っている以上、就業時間はしっかり働き、業務時間以外は、業務に備え体調を整えることを望んでいます。
そのため、業務時間内に他の会社の業務を行うことはもちろん、寝る間を削って作業し、本業に影響を与えてしまうような業務は副業とみなされてしまう可能性があります。
つまり、本業以外で行っている業務が、本業に悪影響を及ぼすかどうかで副業に該当するか判断することができると言えるでしょう。
実際、裁判所の判決においても、従業員が業務時間外に適度な休息をとることが誠実な業務の遂行につながることから、副業を禁止する規程は有効であると判断されています。
具体的事例
ここからは、実際のアクティブユーザーが非常に多いと考えられる、メリカリ、Youtube、そして株式投資を例にとって、副業に該当するかどうかを考えてみましょう。
メルカリは副業にあたる?
ではまず、メルカリについて見ていきましょう。
メリカリを利用して、不要になった衣類等を販売する行為は、副業に該当するのでしょうか。
答えは、該当しないです。
メリカリでの販売は、業務として行っているとはいえないので、会社が一般的に禁止している副業には該当しないと言えます。
法律上においても、不要になった衣類等をメルカリでネットオークションを行うことが、副業に該当する余地はあまり考えられず、就業時間外における行動は基本的に労働者の自由であることから、仮に会社がメルカリを禁止したとしても法律上の根拠はないと考えるのが一般的です。
ただし、メルカリの利用目的が継続的に利益をあげることであり、メルカリで商品を販売するため、商品を仕入れたりしている場合には、事業とみなされる可能性があり、副業に該当する場合もあることは覚えておきましょう。
Youtuberは副業にあたる?
次にYoutuberについて考えていきましょう。
ここではYoutuberを、Youtubeに動画を掲載し、その閲覧数に応じた広告料によって収益を得ている人を指すこととします。
この場合、Youtuberとしての活動は副業に該当するといえるでしょう。
これは、Youtuberは継続的に利益を上げることを目的としており、継続的に利益をあげるためには、本業以外の時間の多くをYoutubeの制作に時間をかけなければならず、本業に悪影響を及ぼす可能性があるためと解釈することができます。
特に人気Youtuberともなれば、その活動はYoutubeにとどまらず、他のメディアにも登場することとなるため、副業に該当すると判断される可能性は顕著になります。
株式投資は副業にあたる?
最後に株式投資について考えていきましょう。
株式投資は副業にあたるのでしょうか。
答えは、該当しないというのが一般的な見解でしょう。
株式投資の場合は、株式という自分の財産を運用しているに過ぎないため、業務としてみなされないのが一般的です。
ただし、金融系の会社においては、インサイダー取引という観点からそもそも明確に株式投資を禁止している会社もありますので、株式投資が会社で禁止されていないかは、しっかり確認するようにしましょう。
副業が解禁されていない場合であっても注意すべき点
なお最近では、副業を解禁している会社も増えてきており、実際に副業を営んでいる人の数も増えてきていますが、一般的に、会社が副業を禁止していない場合であっても、以下の3つのポイントは守る必要があることを頭に入れておきましょう。
- 副業が本業に支障をきたさない
- 副業の内容が企業秩序を害さない
- 副業先と本業が競合関係にない
この3つを守らずに副業を行ってしまった場合、会社に対し損害を被ってしまう可能性もあります。会社に対し損害を与えた場合、解雇ならまだしも、訴えられてしまう可能性もありますので、副業を行う場合には、細心の注意を払うようにしましょう。
まとめ
今回は、そもそも副業って何?
という点について紹介してきました。
副業について法律上の明確な定めはないものの、本業以外の業務が本業に悪影響を及ぼす可能性があるかどうかという点において、副業に該当するかどうかを考えると良いでしょう。
ちなみに、会社が副業を認めている場合であっても、会社に損害を与えるような行為は許されないため、その点はしっかり気をつけて副業に臨むようにしましょう。
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