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フリーランス・個人事業主は、自らが稼働することで報酬を得ていくため、固定給ではなく、稼働した分だけ報酬を得ることになります。このため、報酬をしっかりと回収することは極めて重要で、未払い一件でも、活動の継続を危ぶむ事態となることもあります。フリーランスが報酬未払いに遭わないためには、どうすべきか。フリーランスが報酬未払い回避のために行うべき予防策等をご紹介します。
多くのフリーランスが報酬未払いを経験
プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会発行の「フリーランスの現状認識と課題」によれば、約7割のフリーランスが報酬未払いの経験があるとのことです。
その中でも、報酬未払いが起きた際のアクションとして「泣き寝入りをした」が最も多い回答でした。その理由として、勝てる見込みがないと感じたことや、どうすればよいかわからなかったという回答が多くあるようです。
出所:ロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会 フリーランスの現状認識と課題 2020.3.27
泣き寝入りを避けるために自己防衛が重要
一度泣き寝入りすると、次第にフリーランスの立場を弱め、報酬未払いを増やす危険があります。報酬未払いを減少に導くには、フリーランスだから、報酬額が少ないからと諦めずに、成果に対する報酬支払は確実に受けるという強い意志を持つことが大切です。また、当事者間で解決できない場合は法的措置などで解決を図ることも選択肢の一つですが、何よりまずはフリーランス自身によるトラブル回避の努力が求められます。予め案件の調査を行い、報酬未払いになりやすい仕事は引き受けない、口頭ではなく書類交付を怠らないなど、必要な対策を講じて報酬未払いを事前に防ぐことが重要です。
報酬未払いになりやすい仕事
契約内容が曖昧
業務内容が曖昧な状態で受注に至った案件は、報酬未払いになりやすいと言われています。
成果物に対する顧客が要求する基準、品質が明確に示されていないと、検収不合格となり、やり取りの回数が多くなる可能性があります。
また、業務の再委託の案件を受注する場合は、元請けの能力や裁量が極めて重要です。
例えば、元請けから再委託先であるフリーランスに、ある業務を依頼された場合、当該フリーランスは元請けが求める基準を満足した成果物を提出すればよい事となります。ただし、元請けとその先の顧客とのやり取りの中で、前提条件の違いやミスコミュニケーションによって、当該フリーランスが提出した成果物では基準に満足しないとなるケースが出てくる場合もあります。元請けは、再委託先への報酬は支払う義務があるので、フリーランスにとっては実害が無い様に見えますが、そもそも、元請けとその先の顧客との間で業務が終了していなければ、元請けも報酬が得られないため、再委託先であるフリーランスにも報酬が支払えない。というケースもあるかもしれません。
再委託の案件を受住する場合は、元請けの能力、経験、裁量などをしっかりと見極める必要があります。
SNSでコミュニケーションをとる案件
SNSで業務指示や報告といったコミュニケーションをとる仕事も、報酬未払いに発展しやすいです。様々な人と繋がり情報を共有できるSNSは、仕事にも欠かせないツールではありますが、対面する機会減少につながり、人間とのコミュニケーションだという意識が希薄になりがちだという欠点もあります。
SNSだけでしか接点がない相手には、無理難題や傷つけるようなことを気軽に言ってしまう傾向もあり、パワーハラスメントやモラルハラスメントが起こりやすく、報酬トラブルへと発展する危険もあります。
報酬未払い回避のための予防措置
契約書の内容精査
契約書に書かれている内容が全てと言っても過言ではありません。業務内容、納期、報酬額、成果物、免責事項や契約破棄の場合の違約金などについても明示されていることが重要です。
請求書の発行
業務が完了したら、請求書を発行することが重要です。発注元である起業が大会社の場合、一件の仕事の重みは、契約金額の大きさに比例すると捉えられている場合もあります。フリーランスが受注した仕事の契約金が少額な場合、発注元にとっては、小さなもの。と取り扱われるケースも多々あります。この場合、フリーランスの細かい業務の進捗確認が行われず、業務の完了後、納品を受けたことに気づいていないケースも考えられます。このため、請求書を発行することでフリーランスが仕事を完遂し、成果物納品を済ませたことの通知するためにも、請求書の発行は重要です。
法的措置の検討
最後の手段は、法的措置をとることです。ただし、法的措置をとることによって、取引先との関係性が悪化する可能性もあり、回収するまでには一定の期間がかかることによるコストも発生します。詳細は専門家である弁護士に相談をすることをおすすめします。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
フリーランスにとって報酬未払いは深刻な問題です。稼働した分しか報酬は得られませんので、生活に直結する事態となります。健全な活動のためには報酬未払いに遭わないよう、業務内容の精査を行い、契約不履行に至るリスクを徹底的に排除しながら契約書に細かく落とし込んでいくことが重要です。
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