米国株式の中には、高配当を行っている株式が多く存在しているのはご存じでしょうか。投資家の中には、配当に魅力を感じ米国株式に投資している人たちも多く存在します。
そこで今回は、なぜ投資家の人たちは、米国株式は配当が魅力と考えているのか。また、なぜ米国企業は高い配当利回りを設定する傾向にあるのかを解説しています。
さらには、おすすめの高配当株についても紹介していきます!
アメリカ株式は配当が魅力
米国株式は配当が魅力といわれる理由は、主に以下にあります。
配当が年4回出がち
米国企業には、日本企業にあるようないわゆる株主優待制度はありません。一方で、四半期ごとに配当を出す企業が圧倒的に多いです。例えば、iPhoneで有名なアップル社は、例年2月、5月、8月、11月に配当がでます。日本の企業の場合は、基本的に年1回、多くても年2回の配当がほとんどです。
長期な連続増配が見込める
米国企業には、何十年も増配を継続している企業が多く存在します。世界最大の一般消費メーカーであるP&Gや世界的化学・電気素材であるメーカースリーエムといった米国企業は、60年以上に渡って増配を続けています。
配当利回りが高め
米国株式は、連続増配傾向にあるだけでなく、利回り自体も高い傾向にあります。例えば、日経平均の配当利回りは約2%(日経平均プロフィル公表)となっている一方で、NYダウ工業平均株価の平均利回りは約2.5%(ブルームバーグ公表)となっています。
アメリカ株はなぜ配当がアツいのか?
では、なぜ米国株式は配当が高いものが多かったり、配当を重要視するのでしょうか。
それは、投資家の心理の違いに起因しています。
キャピタルゲインよりインカムゲイン
日本の投資は、キャピタルゲイン(株式売却による収入)を重視する傾向が強い一方で、アメリカの投資家は、インカムゲイン(配当による収入)を重視する傾向にあります。もちろん個人差はありますが、アメリカの投資家には、「企業があげた収益は可能な限り株主に還元するべき」という心理があります。
このような状況を踏まえて、米国株式の中には、10年、20年、もしくはそれ以上にわたって、配当金額を増額し続けている企業が存在しています。例えば、マクドナルドやコカ・コーラなどでは、株式さえ持ち続けていれば、株価に左右されずに、安定的な配当収入が得られる仕組みとなっています。
強気な経営
また欧米においては、企業が配当利回りを削減した場合、事業に対して弱気になっていると考えられています。そのため、例え業績が変動した場合においても、容易に減配をしない方針を立てる傾向があります。
それに伴い、為替相場やマーケット状況変化など、外部的な要因で業績が悪化したとしても長期的にみて事業が継続可能と判断されれば、配当金の額は維持される傾向にあります。
これだけ聞くと、米国株を購入しない手はありません。ではどうような時に、米国株を購入すべきか確認していきましょう。
米国株式を購入するなら円高のタイミング
米国株を購入する場合、基本的には米ドルにて購入することとなります。そのため、通常の株式購入に加えて、為替の影響についても考慮する必要があります。
この点、円高となっているときに米国株式を購入すると、より安価で米国株式を購入できることとなります。
例えば、1株200ドルの株式を1ドル=100円の時に購入すると、その株式を2万円で購入することになります。一方で、その株式を1ドル=80円という円高の時に購入できれば、1万6千円で株式を購入することができるようになります。
さらに、1ドル=100円のレートで配当率3%の2万円の株を買ったとします。1年後、1ドル=110円のレートになっていれば、2万円の価値だった株が20,000 x 1.1 x (1 + 0.3 ) = 22,660円相当の価値になります。
このように、円高時に米国株式を購入できると為替差益も追加で収益として獲得することができます。
おすすめの高配当アメリカ株
ここからは、高配当や長期にわたって増配を継続してきたおすすめの高配当株を紹介していきます。
Vodafone Group(ボーダフォン・グループ)
まずは、通信サービスを提供するボーダフォン・グループです。ボーダフォングループは、以前日本市場にも参入していたので、聞きなじみのある人も多いのではないでしょうか。ボーダフォン・グループはアメリカ国内のみならず、通信サービスをグローバルに展開しており、配当利回りは5%台を推移しています。
AT&T(エイ ティ アンド ティ)
次に紹介するのは、AT&Tです。この会社も情報通信を中心としたサービスを展開しており、アメリカ最大手の電話会社を保持しています。AT&Tの配当は、30年以上連続で増配しており、配当利回りも5%を超えています。
Coca-Cola (コカ・コーラ)
コカ・コーラは、いわずと知れた飲料メーカーです。配当利回りは約3%と上記と比べると高くないものの、一般的には高い水準にあります。また、この会社の魅力は、50年以上連続で増配を実施している点にあります。
J&J (ジョンソン アンド ジョンソン)
J&Jは世界有数のヘルスケア企業で、医薬品の研究開発から製造、販売を中心に医療機器や日用品まで幅広い事業ポートフォリオを有しています。日本では、使い捨てコンタクトレンズの「アキュビュー」などが有名でしょう。こちらの会社も配当利回りは約3%程度を維持しながら、50年以上連続で増配している会社です。
P&G (プロクター・アンド・ギャンブル)
最後は、冒頭で紹介した世界最大の一般消費メーカーであるP&Gです。P&Gの配当は約2.5%程度と上記4社と比較すると多少見劣りするものの、驚くべきは連続増配年数です。P&Gは既に60年以上に渡り増配を実施しており、今後も引き続き増配していくことが期待されています。
上記の株式を購入すれば、高配当得るチャンスを獲得することができます。また、米国株式は、引き続き高値を更新し続ける成長市場でもあることから、米国株式への投資は、一石二鳥の効果があるともいえるでしょう。
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