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ここ数年、クラウドファンディングという言葉をよく耳をするようになりました。最近では、キングコングの西野亮廣さんが著書「えんとつ町のプぺル」を制作する際に利用したことなどでも話題になりました。
既に、クラウドファンディングを活用されている方も多くいらっしゃるかもしれませんが、「名前は聞いたことあるけど、具体的には分からない」という方もいるかもしれません。そこで今回は、クラウドファンディングについて、紹介していきます!
そもそもクラウドファンディングって何?
一言でいうとクラウドファンディングとは、資金調達手段の一種です!
クラウドファンディングは(crowdfunding)、群衆(crowd)と資金調達(funding)を組み合わせた造語です。その名の通り、ある目的をもった個人や法人が、インターネットなどを活用したプラットフォームを通じて、共感してくれる不特定多数の支援者・出資者を募る資金調達方法です。
世界でクラウドファンディングが広く認知されるようになったのは2008年~2009年頃で、日本では、2011年3月にREADYFOR株式会社が初めてクラウドファンディングサービスを開始しました。現在では、クラウドファンディングの国内市場規模は2000億円突破する勢いで、約5年間で9倍近くの市場規模になっています。
クラウドファンディングの種類
勢いが増しているクラウドファンディングですが、その種類は大まかに6つあります。
購入型クラウドファンディング
購入型クラウドファンディングとは、起案されたプロジェクトに対して支援者がお金を支援し、支援者はそのリターンとして商品やサービスを得るというタイプのクラウドファンディングになります。
購入型という名前にあるように、支援者は、起案者がリターンとして設定した商品やサービスなどを購入する感覚で支援をすることができます。
日本では、CAMPFIRE、READYFOR、Makuakeなどが、購入型クラウドファンディングのプラットフォームを提供しています。
寄付型クラウドファンディング
寄付型クラウドファンディングとは、起案されたプロジェクトに対して支援者がお金を寄付をするタイプのクラウドファンディングです。その名にある通り、基本的には寄付と同様のイメージですので、購入型クラウドファンディングのような、商品やサービスのリターンはありません。
このクラウドファンディングは、被災地の支援など、社会貢献性の強いプロジェクトに利用されることが多く、リターンとして手紙などが送られるケースが多くあります。
日本では、CAMPFIRE、READYFORなどが、寄付型クラウドファンディングのプラットフォームを提供しています。
融資型クラウドファンディング
融資型クラウドファンディングとは、仲介事業者が、資産運用を行いたい個人投資家から小口資金を集め、企業に資金融資するタイプのクラウドファンディングです。
日本では、「ソーシャルレンディング」としても知られているため、こちらの名前を聞いたことがある方もいるかもしれません。融資型クラウドファンディングは、融資という性質をもっているため、支援者は利息という形でリターンを得ることができます。ただしこの手法は、金融商品として区分けされているため、事業者は金融商品取引法などの法律に従って事業を行っていく必要があります。
日本では、SBIやCAMPFIREが融資型クラウドファンディングのプラットフォームを提供しています。
株式型クラウドファンディング
株式型クラウドファンディングとは、基本的に企業が行う資金調達の手法で、個人投資家から資金支援をしてもらう代わりに、企業は未公開株を提供するタイプのクラウドファンディングです。
通常、未公開株を取得することは中々難しいですが、この手法を通じて、個人投資家でも未公開株を取得できるという点が特徴と言えます。ただし、株式型クラウドファンディングには、投資家は1社につき50万円までの出資しかできないなどの制限があるため、大型の資金調達を実施する場合には、不向きな可能性もあります。
ファンド型クラウドファンディング
ファンド型クラウドファンディングは、株式型クラウドファンディングと同様、企業向け資金調達の手法です。通常のファンドと同様、仲介業者が個人投資家から出資を募り、集めた資金を元手に企業に出資をしていくタイプのクラウドファンディングです。
投資家は、企業の売上などに応じて分配金という形でリターンを享受することとなります。売上をベースとして計算されるため、利回りは変動することが前提となっています。また、事業で作られた商品やサービスなどを受け取れることもあります。
ふるさと納税型クラウドファンディング
ふるさと納税型クラウドファンディングとは、自治体が解決したい課題を具体的にプロジェクト化し、そのプロジェクトに共感した支援者から、ふるさと納税制度を利用して寄付を募るタイプのクラウドファンディングです。
ふるさと納税という仕組みを使って、クラウドファンディングを実施するので、支援者は税務上の寄付金控除を受けられます。
購入型クラウドファンディングの深堀
クラウドファンディングと一言でいっても、上記のように様々なタイプがありますが、今回は、最も馴染みやすい、購入型クラウドファンディングを深堀していきます。
購入型クラウドファンディングには、二つの方式があります。
All or Nothing(オール・オア・ナッシング)方式
All or Nothing方式は、事業者がプロジェクトを開始する際に設定した資金調達目標額を下回る資金しか集まらなかった場合、資金調達者(プロジェクト起案者)には資金は提供されず、プロジェクトがキャンセルされるタイプのクラウドファンディングです。
この場合、資金がいくら集まったとしても、目標額に届かなければ、一円も受け取ることなく、プロジェクトは終了ということになります。
All in(オール・イン)方式
All in方式は、事業者がプロジェクトを開始する際に設定した資金調達目標額を下回った場合でも、集まった資金は資金調達者に提供されるタイプのクラウドファンディングです。
調達資金が目標額に到達するかどうかにかかわらず、必ず決済が行われ、支援者が申し込みを終えた時点で決済が完了することになります。
プラットフォームによっては、自分でどちらかの方式を選択できるものもあれば、起案するプロジェクトのタイプによって、自動的に決められるものもあります。
クラウドファンディングのメリット
購入型クラウドファンディング市場については、まだまだ伸びていくことが予想されており、注目度は日々増しています。ではなぜ、こんなにも普及してきているのでしょうか?
それは、購入型クラウドファンディングにこんなメリットがあるからかもしれません。
テストマーケティング
提供する商品やサービスが市場に求められているかどうかを調査できます。
初期顧客獲得
商品やサービスをリリースする前に活動を知ってもらえ、ファンを獲得することができます。
実績作り
クラウドファンディングでの成功を実績として活用できます。
在庫リスクの軽減
商品の量産前に需要が把握できるため、無駄な生産を行う必要がありません。
必要資金の調達
プロジェクトを実施する上で、融資などの債務を負うことなくチャレンジができます。
こう考えるだけでも、やってみる価値はありそうですね!
まとめ
クラウドファンディングは、準備こそ大変かもしれませんが、誰でも気軽に参加でき、支援者を募ることができます。また、クラウドファンディング以外の資金調達方法よりも手軽であったり、リスクを低減することができる可能性もあるので、興味のある方は、是非一度検討してみるといいかもしれません!
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