今回は、2020年に日本でも話題となった「ロビンフッド」について、その魅力やリスク、今後の動向について紹介していきます。
ロビンフッドって?
(出典:ロビンフッド)
投資アプリロビンフッドとは?
「ロビンフッド」とは、2013年にアメリカで創業したフィンテック企業ロビンフッド社が開発した投資アプリです。
2015年にアプリを正式リリースしてから、そのユーザー数は急激に伸びており、現在のユーザー数は1000万人を超えています。
さらに2020年初旬からのコロナウィルス感染拡大に伴う巣ごもり需要から、そのユーザー数はさらに増加傾向にあり、今では、ロビンフッドのユーザーは「ロビンフッド族」と呼ばれています。
なお、ロビンフッド社の想定時価総額は100万ドルを超えており、既にユニコーン企業の仲間入りを果たしています。
ロビンフッドの魅力
投資アプリの「ロビンフッド」のユーザーが急激に拡大しているのは、3つの理由が大きいと言われています。
手数料
まず第1の特徴として挙げられるのが、取引手数料無料という画期的なサービスです。通常、証券会社で取引を実施する場合には、取引手数料がかかります。
ロビンフッドを利用すると手数料はかかりませんので、かなりユーザーフレンドリーといえます。
デザイン
ロビンフッドは、メインターゲットを1981年~1995年生まれのミレニアム世代と位置付けており、アプリのデザインをその世代が使い慣れているSNSやモバイルゲームのようなデザインにしています。
また、構成自体も表示する情報量を最低限にして、わかりやすさを重視することにより、投資にあまり慣れていない人の参入障壁を下げることに成功しています。
(出典:ロビンフッド)
少額投資
ロビンフッドでは、単元未満株を1ドルから売買できるミニ株を提供しています。そのため、株価の高い株式でも1ドルから購入することができ、少額からの投資が可能です。
これにより、あまり投資資金がない人でも気軽に投資を始めることを可能にしています。
ロビンフッドのリスク
その使いやすさから、ユーザーが急激に増加しているロビンフッドですが、一方で、リスクについても指摘されています。
ギャンブル性
ロビンフッドはその使いやすさから、ロビンフッド族と呼ばれる若年層があまり投資取引の知識を持たずして、ギャンブル感覚で利用していると度々指摘されています。
中には、1万5千ドルの資金を100万ドルまで増やしたあと、数か月以内ですべて失ってしまった利用者や、実際は損失を出していなかったにも関わらず、巨額損失を出したと思いこみ自殺してしまった利用者もいるとのことです。
収益モデル
ロビンフッドの主な収入源は2018年にアメリカ証券取引委員会(SEC)の調査を受けるまでは開示されていませんでした。しかし2018年の調査で、ロビンフッドはユーザーの注文データをHFT(超高速取引業者)に販売し、巨額の利益を得ていることが明らかになりました。
1注文データの販売価格は0.00008ドル(約0.009円)から0.00026ドル(約0.029円)と言われており、その金額は、他の大手金融がHTF企業に販売する金額の10倍以上に相当するとのことです。
米国では、このモデルが利益相反にあたるのではないかとも指摘されています。
これらのリスクがどのように同社に影響を及ぼすことになるのか注目です。
ロビンフッドの今後は?
ロビンフッド社は、前述の通りリスクについて指摘されている一方で、その評価額が100万ドルを突破し、既にユニコーン企業の仲間入りを果たしています。また、さらなるサービス拡大のため、大型の資金調達なども行われており、投資家の中には、Googleの投資部門など有名ベンチャーキャピタルが名を連ねており、投資家からの期待は高いです。
さらに、ロビンフッド社はIPO(新規株式公開)2021年にIPOを実施するともいわれており、同社の動きにますます注目が集まっています。
コメント