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Freedox Magazineです。
本メディアでは、フリーランス、副業、独立、起業をキーワードに皆様が少しでも豊かな生活ができるよう役立つ情報の発信をしております。
皆さんは「税務調査」という言葉はご存じですか?
フリーランス・個人事業主で働く上で特に気を付けなければいけないのが税金です。
会社が計算してくれて給与から直接控除されていた会社員時代とは違いフリーランスや個人事業主は自分で税額を計算・申告し、納付する必要があります。
またフリーランスは納める税金の種類も増えます。会社員時代は所得税と住民税以外はあまり意識していない方も多いかと思いますが、フリーランスはそれらに加えて消費税、個人事業税、固定資産税なども増える場合もあります。
税理士などの専門家を介さず、自身で申告を行っていると「うっかりして税金の申告・納付が漏れていた…」、「経理に弱く気づかずに誤った金額を申告していた」などの思わぬ税金トラブルが起こる場合があります。
自身で気づいて申告・修正申告ができればいいのですが、なかなか気づけないのがほとんどです。
何年かしたある日、いきなり税務署から連絡が来て調査される場合があります。
これが「税務調査」です。
この「税務調査」によって過去3年~7年間遡って調査され本来納付すべき税額と実際に納付した税額の差額と15%~20%の追徴税を追加で納付することになります。
また故意に納付漏れ、もしくは所得隠しなどの不正な納付額の減額、還付などを受けていた場合は
10年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金、または併科に処せられる恐れがあります。
(所得税法第238条第1項、法人税法第159条第1項)
人によっては想像以上の金額の追徴納付が発生する恐れがあります。
今回はどういった場合に税務調査が入るのか、狙われやすいフリーランス・個人事業主の特徴とその対策について解説させていただきます!
税務調査とは
税務調査とは、税務署が個人、法人の税務申告の内容が正しいかどうかを調査することを指します。
所得税や法人税は、申告者が自身の所得と税額を計算して納付する「申告納税制度」が採用されているため、計算ミスや虚偽の申告などが行われていないか税務署がチェックし、間違った、もしくは不正な脱税行為の防止を行います。
税務調査には「任意調査」と「強制調査」の2種類があります。
任意調査
事前に税務署から調査の通知と訪問日時を知らせる連絡が入ります。
この調査では税務署は納税者の脱税などの疑いは認識しておらず、幅広い個人・法人を対象に行われます。任意という文字が入っておりますが税務署(調査官)は国税通則法および法人税法により「質問検査権」が認められており、税額の根拠となる帳簿や領収書などの帳票を検査できるようになっています。正当な理由もなく、調査書類の提示に応じない場合には罰則が設けられています。
強制調査
裁判所の令状を持って、強制的に行う税務調査です。事前に税務署からの調査に関する通達はなく、任意調査とは異なり税務署は納税者に対して故意的な脱税の疑い(確信)を認識しています。
もちろん調査を拒否することはできません。
税務調査としては主に任意調査が主流となり、行われています。
フリーランス・個人事業主に税務調査が入る確率は?
国税庁が発表する資料によると、2017年においてフリーランス・個人事業主に対して税務調査が入る確率は、1%とされています。
これは法人と比べて3分の1ほどの確率になります。
そこまで多い数字とは言えず、調査対象になってしまった場合は「運が悪かった」といえる確率ではありますが、後述する調査対象になりやすい特徴を満たすフリーランス・個人事業主に関しては特に注意してください。
調査対象になりやすいフリーランス・個人事業主の特徴
税務調査の対象となりやすいフリーランス・個人事業主の特徴としては下記のような傾向が挙げられます。
確定申告をしていない
最も調査対象になりやすい理由として挙げられるのが「確定申告」をしていない方です。
申告していなければそもそも税務調査に引っかからないだろうと思われがちですが、税務署は過去の税務申告データや金融機関の情報などを簡単に調べることができ、入金(売上)があるのに申告していない人を事前にピックアップしています。
なので確定申告を行っていない人ほど、調査対象として選ばれやすくなります。
場合によっては「強制調査」として税務調査が行われる場合もあるため、くれぐれも確定申告は忘れないようにしましょう。
開業してから3年以上経過したとき
税務調査では最大過去7年(基本は3年)を遡って調査を行います。
過去分もまとめて調査した方が追徴課税で徴収できる金額や作業効率も良いため、開業から年数が経っているタイミングは注意が必要です。
また一度調査を受けると暫くは調査対象になりにくいですが、指摘事項が見つかった場合は目を付けられる可能性もあります。
消費税還付がある場合
高額の消費税の還付がある場合は税務調査の対象となりやすい傾向にあります。
海外への輸出や不動産投資などに関する事業をされている方は注意が必要です。
ギリギリ控除対象となる申告が続いている場合
例えば売上が1,000万円未満の場合、消費税を納付する義務がない消費税非課税事業者となるため、故意に売上を調整していないか、など税務署から目を付けられる可能性があります。
正しい節税行われていれば何も心配する必要はありませんが、こちらも注意が必要です。
現金でのやり取りがメインとなっている事業の場合
振込ではなく現金で売上代金を収受している場合、預金明細などの証憑が残らないため、売上の操作が行われていないかなど、税務署にマークされる場合があります。
可能な限り売上金の入金は振込でお願いするようにし、やむを得ない現金収受は出納帳でしっかり管理するようにしておきましょう。
税務調査に向け、フリーランス・個人事業主がとるべき対策
最後にフリーランスや個人事業主が税務調査に対してとるべき対策について紹介します。
税理士などの専門家に相談しましょう
税制はとても複雑で専門家でもなければ完璧な申告は難しいのが現状です。
今では税務申告だけでなく、記帳代行まで請け負ってくれる税理士事務所もあります。
経理をする時間が作れなかったり、税金知識に自信が無い場合は専門家に依頼するといいでしょう。
もちろん相応のコストが発生しますので、ご自身の売上規模に応じた依頼を相談してみてください。
帳簿記帳はタイムリーに、帳票類は確実に保管
調査が入った場合に、計算根拠となる領収書や請求書などが無いと経費などが認められない場合もあります。
忙しくなると疎かにしがちですが、なるべく記帳はタイムリーに行い、証憑類の保管は日付毎にファイリングしておけるよう意識してみてください。
まとめ
いかがでしょうか
今回はフリーランスや個人事業主に対しての税務調査について紹介させていただきました。
税金はミスやうっかりが大きなトラブルを生んでしまいます。
高い頻度で税制の変更がされるため、常に最新の情報に注意を向ける必要があります。
また10月からはインボイス制度が導入されるため、消費税に関してはより複雑となることが想定されます。
当メディアではフリーランスや個人事業主が納めるべき税金について簡単に、わかりやすく解説させていただいていますので、ぜひご確認ください。
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