資金調達としての融資と出資の違いは?それぞれのメリット・デメリットは?

資金調達

昨今のコロナウィルス感染症の影響で、急な資金調達が必要となった中小企業者の方々も多いのではないでしょうか。そんな中、それに対応するべく、様々な政府の支援策も打ち出されているかと思います(政府支援策はこちら)

しかし各企業は、長期的には政府支援なしで資金調達をしていく必要があります。そのため、ここでは資金調達方法の基礎とそのメリット・デメリットを紹介していきます。

資金調達の方法は、大きく分けて二つあります。「出資」と「融資」です。

出資とは?

出資とは、投資家などが株券と引き換えに資金を援助することを意味します。出資は借金ではないため、出資を受ける企業からすると返済の必要がなく、安定した資金を獲得できるといえるでしょう。

代わりに、出資した投資家は、その企業の利益が上がったときの配当金を受け取る権利や株主総会で経営に参加する権利を得ることになります。

融資とは?

融資とは、銀行などの金融機関が企業にお金を貸すことを意味します。融資はいわゆる借金ですので返済の義務があり、返済の際には利子を上乗せして返す必要があります。

資金を貸し付ける側は、この利息を獲得することにより利益を上げていくことになります。

出資のメリット・デメリットは?

出資を受けるメリット

返済義務がない

出資を受けるメリットは何といっても、返済義務がないことといえるでしょう。出資者はお金を支払いその企業の株式を購入しているので、仮に企業が倒産してしまったとしても、返済義務を負う必要がありません。当然、借入金ではないので利息も発生しません。

成長の手助けが受けられる

出資先企業の成長は、出資先企業の株式価値に反映されます。企業の株式価値が上がれば、出資者はそれだけ高い金額で、株式を第3者に売却して、利益を得ることも可能です。また、配当金を得ることも可能です。そのため、出資者は、出資先企業の株式価値を上げるため、ナレッジシェアや、業務提供など様々な手助けをしてくれるでしょう。

企業としてのアーリーステージでもチャンスがある

出資は、融資と違い、出資先企業の将来の成長性を予測して実施していくことがほとんどです。そのため、その時点で会社として利益が出せていなくても、将来業績を伸ばすことができる計画をしっかり作成することができれば、出資を受けられる可能性は多くあります。

出資を受けるデメリット

経営への介入がある場合がある

上記記載の通り、出資者は出資先企業の株式価値をあげ、利益を上げたいと考えるのが一般的です。そのため、出資の条件として、出資先企業へ取締役として自社の社員を送ったり、出向者を送ったりすることが多くあります。また、「出資する=株主になる」ということでもあります。株主として、株主総会で投票する権利を得ます。これらを通じて経営へ介入することが考えられます。

コストが高い

出資を受ける場合、利息の支払は必要ないのですが、出資者は変わりに配当を受ける権利があります。配当金については、会社の業績が伸びてきてから支払いを行うケースが多いですが、その利率は、借入をした場合の利率より高くなることが一般的です。

融資のメリット・デメリットは?

融資を受けるメリット

経営への介入を受けない

融資は金融機関が企業の株式を購入するわけではなく、あくまで資金の貸し付けです。そのため銀行は、企業の経営に介入する権利を持ちません。企業側としては、一般的に借入を受ける際に返済計画として、事業計画を示す必要があるものの、その経営自体は自由に行うことが可能です。

 コストが安い

融資の場合においいて、企業が負担するコストは利息です。利息の利率は、企業の信用力や借入額に応じても違いますが、配当率より低いことが一般的です。特に日本はマイナス金利などと言われており、利息の利率は他の国と比べても比較的安いです。

融資を受けるデメリット

返済義務がある

融資はあくまで借金であるため、当然ですが、元本及び利息の支払義務が生じます。

審査基準が厳しい

融資する側は、融資する企業にしっかり返済をしてもらう必要があるので、企業に、元本を返済するだけの能力があるか、また利息を支払うだけの能力があるかを詳細に確認します。そのため、起業したての企業など、まだ信用力の低い企業は比較的融資を受けることが難しい場合がほとんどです。

最後に

ここでは、資金調達方法としての、出資と融資の違いについて紹介してきました。企業のステージによって、選ぶべき資金調達手段は変わってきますので、状況を見極めながら、資金調達を実施頂ければと思います。

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